みなさんこんにちわ。すふぃあです。
SR開設10周年記念作・ルナティックドーンテンペスト、如何でしたでしょうか?
最近すっかりリアルが忙しくなってきたため、以前のようなペースは維持できませんが、
今後も生暖かく見守って頂ければと思います。


【評価点】
・声優陣の演技
・特筆すべき要素ではないが、音楽面は普通。

【問題点】
・全てにおいて選択権のない強制進行なストーリー
・主要登場人物がほぼ全員不快
・シェイクスピアの戯曲のアレンジが悉くスベっている
フェステ


アートディンクのサイトに本作の紹介ページがまだ残っていたので、いくらか引用したいと思います。

>ドラマ
>メインとなるシナリオは、シェイクスピアの戯曲を原案としたオリジナル。
>「ルナティックドーン」シリーズとしては異色ともいえる壮大なドラマをお楽しみください。

>ジョブシステム
>大陸の各地にある特定の施設を訪れると、主人公ヒーローはジョブ(仕事)をすることができます。
>このジョブシステムにより、ヒーローはさまざまな体験をして成長(レベルアップ)をとげるのです。



これらが全部スベってるというのを見ると、考えさせられるものがありますね。
『従来の「ルナティックドーン」シリーズと一線を画した本作品』と記しているあたり、
今までと何か違うようなことがやりたかった、という意気込みだけは感じました。


あくまで筆者が個人的に感じたことではあるのですが……
本作のシナリオ制作は相当に難航していたのではないでしょうか。
シェイクスピアの戯曲をベースにしたシナリオ、という時点で非常に難しい題材だったはず。
何度も修正やらエピソードの追加やらをした結果、
修正不能なくらい矛盾だらけなストーリーになってしまったのではないでしょうか。
素人目で見ても「そうはならんやろ」と言いたくなるような部分があまりに多すぎます。

本作を担当されたプロデューサーの方は、これが処女作ではなく、何作かゲーム製作を経験されてます。
facebookによると、アートディンクの開発部長まで務められたことのある方(今は退職)なのだそうで。
声優陣もかなり豪華であり、それなりに力を入れて製作は進められていたように見えます。
ですが、結果はこうなってしまいました。
企画倒れにするわけにもいかないので、なんとか完成はさせた、というのが見て取れます。
開発陣も発売前から薄々気付いていたのではないでしょうか。本作は出しても売れないと。


ルナティックドーンシリーズの持ち味は「自由度の高さ」と言われております。
筆者は過去作をプレイしたことがないのですが、
動画を見る限り、全く毛並みの違う作品だったことがわかります。
新規要素の開拓、既存からの脱却……色々な狙いはあったでしょう。
しかし持ち味を全て失った結果、完成された物は虚無でした。
2009年に次作「ルナティックドーン 始まりの書」が製作されてましたが、発売中止となったため
本作がルナドンシリーズ最終作、結果的にシリーズにトドメを刺してしまったことになってしまいました。


一周プレイし終えた今でも、こうなってしまった原因はわかりません。
ウチから一つだけ言えることは「過ぎたるは猶及ばざるが如し」でしょうか。
新しいものを取り入れようとし過ぎて、過去の良い物を全て捨て去ってしまった、というのが本作ではないでしょうか。
ゲーム製作は難しい。音楽にしてもシナリオにしてもプログラムにしても製作管理にしても。
売れるゲームを作るのはもっと難しい。
本文中では散々なじりましたが、プレイ日記のリライトにあたって
ゲーム製作の難しさというのを再認識した一作となりました。
でもフェステの存在だけは絶対許さないからな。


さて、次回作についてですが、次は再びSFCで攻めてみたいと思います。
20作目となる節目の作品も、アレな方向でいく予定です。
年内完結できるかわかりませんが、これからもSRを見て楽しんでいって下さいませ。

それでは皆様、また次回の作品でお会いしましょう。


筆者評価: