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<前回までのあらすじ>
ふとしたことでDQ3の世界に迷い込んでしまった勇者(?)さたどらとその仲間たち。
本来の力が発揮出来ない中、少しずつ力を取り戻しつつある一行。
今回4人が挑むのは、サマンオサを牛耳る暴君との戦い。
はたして彼ら4人は、大魔王バラモスを打倒できるのか!
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〜 ランシール頭部 地球のへそ 〜
ぶ、ブルーオーブ取ってきたわよ……
ほーい、お疲れさーん。
これでオーブが4つか。
残り2個。何処にあるんやろなあ……
あと行ってないところは……
ここかな。地球で言う南米大陸くらいの所にある城・サマンオサ。
なるほどね。いいんじゃないかしら。
澪さん、サマンオサについて何か知ってることとかある?
……そうね……
……賢王が長年治めていて安定している……とは聞いてるけど……
けど?
……一方で、最近は思わしくない話も……
王様って高齢なんでしょ?
年食ったせいで頭がおかしくなった可能性もありそう。
まー単なる噂だといいけどな。
ここがサマンオサか。
全く、船で上陸出来ない地とか厄介ね。
まあこればかりはしゃーない。とりあえずアイテム補充した上で宿屋いくぞー
……さたぴー。なんか町の様子がおかしいのですよ?
ほえ?
すごくひっそりとしてるわね……
……町の人の表情も暗いわね……
ちょっと町の人に話を聞いてみるのですよ。
葬式?どういうことだろ。
単に一人が亡くなっただけなら、ここまでひっそりとはしないはず……
北の方に沢山の人がいるみたいなのですよ。
いってみよう。
な……!
酷い……!
……町人の表情が暗いのも頷けるわね……
澪さんの前情報通り、王は暴君になってしまったのだろうか。
ありえん……こんなことがあっていいのか……
さたどら、このままじゃ腹の虫が治まらないわ。
おう、ウチも同じ気分だ。
こんな虫酸の走る話はない。なんとかしないといかん。
ねここもそう思わない?
? ねここ?
「ねここ……お前だけでも生き延びてくれ。」
なんでですか!?どうしておじいちゃん達が死刑にされないといけないのですか!!
「……全ては王様が決められた事。
御触れにより、私達ねこみみ族は根絶やしにするとのことじゃ。」
「わしらはもう年で動けん。だが、お前さんなら逃げ切れるはずじゃ。」
そんなことできないのですよ!あたしも一緒に!!
「私達はもう十分生きた。だがお主はまだ若い。
孫を助けることが、我々の最期の仕事と思っておる。わかってくれ……」
「さあ、この隠し通路から抜け出すのじゃ。お前さん一人だけでも生きてくれ。」
「ねこみみ族の血、絶やしてはならぬぞ……」
おじいちゃん!おばあちゃん!!
ねここ!大丈夫!
うううう…………
何があったんだ……?
……もしかしてこの子も……私達と一緒なのかしら……
それはどういう……
暴君は……
暴君は、絶対あたしの手で裁いてやるのですよ!!
な……
……私の推測だけど、フラッシュバックが起きたんじゃないかしら……
フラッシュバック?トラウマを呼び覚ますとかいうあれ?
……同じような経験を過去にしてる……そんな気がするわ……
サマンオサ……サマンオサ…………
こんなに怒りをあらわにしたねこちゃん初めて見た……
そういえば、ねここがDQ3をプレイしてるところ1回だけ見たんだけど、
凄く辛そうな表情でやってたのを思い出したわ。
当時は詰めるのに苦戦しているだけかと思っていたけど……
さたぴー!
は、はい……
王様討伐の件、全てあたしの言うとおりに従って進めてほしいのですよ。
まつりんどうする……?
あ、あたしに聞かれても……
……討伐できる自信、あるのかしら……
(こくり)
……さた様、ここはねここちゃんに任せるべき……
……わかった。ねこちゃんに全てを任せよう。
まずあたし達は、ラーの鏡を取らなければいけないのですよ。
場所はわかるの?
勿論。ルートも全部把握しているのですよ。
すげえ……
……任せたわよ……
了解!!
こ、こんなあっさり……
これがねここの本気なのかしら……
さあ!サマンオサに戻るのですよ!
ここからでいいのか?
(こくり)
……夜になると(王様が)変、という情報もあったしね……
入ったら兵士達は全て無視して、2Fに上がるのですよ。
わかった。
この部屋で間違いないのですよ。
王様は偽物で、その正体はバケモノとか驚いたな。
そのためのラーの鏡ってことね。
……さた様、末莉ちゃん……いくわよ……
かかってらっしゃい!
しらばっくれないで!
これでも食らえ!なのですよー!!
ぬおっ?!本当にバケモノになりおった!!
……正体を現したわね……
ここはあたしに任せてほしいのですよ。
ゲームだと攻略法は別にありますけど、これはゲームじゃない。
素早い動きで棍棒を避わしつつ少しずつ蓄積させていく。
あんた、剣なんか使えたっけ……?
剣の心得はないのですよ。
でも、今こいつを倒すにはこれが一番!!
すげえ、ボストロールの攻撃を避けまくってる……
ねここってこんなに強かったっけ……
……これが彼女の秘められし才能……かしら……
そろそろトドメ……
まだ不完全ですし1発しか出せないけど、あたしの魔力、全部お前に叩き込んでやるのですよ!!
マヒャド!!!
お前を倒しても、お前が倒した人たちは帰ってこない。
せめて地獄で、裁きを受けるのですよ……
〜 翌日 〜
ご冥福を……お祈りするのですよ……
とりあえず王様も無事でなによりだわ。
なんで王様を生かしておいたのかしらね。
……この国が墜ちていく様を、見せつけたかったのかしらね……
趣味悪……
とりあえずボストロールが落としたこの杖、何に使うのかしらね。
……ま、もう少し時間かけて調べてみるわ……
お願いね。
しかし驚いたなあ。ねこちゃん、その調子で今後も頼むよ。
さたぴーには非常に言いにくい話なのですが……
サマンオサの部分を思い出せたのはたまたまで、それ以外はまだ思い出せないままなのですよ。
(カクッ)
ま、この部分だけ思い出せただけでもよかったじゃない。
正面から戦ったらあいつ相当手強かったと思うで。
それじゃ、次の方向性を考えていくのですよー♪
本当に表情変わるの早いなー
何も考えてないのかもしれないわね。
まつりんにだけは言われたくないだろうなー
なんですって!!
おじいちゃん……おばあちゃん……
あたしは、この人たちと一緒に生きていきます……
……どうかあの世で、あたしの事を見守っててください……
- 続く -