何故、そなたは外国の者なのに、わらわに協力してくれるというのじゃ……?
大蛇に困ってる民を見捨ててはおけないし、あたし個人としてもあなたを助けたい。
それじゃダメかしら?

……わらわは今まで一人で生きてきた。それ故に、誰かに頼るということがわからぬ。
あたしを信じて。あと2人、仲間を連れてくるからそれまで待ってて。
八岐大蛇は、必ずあたしたちが倒してみせる。




…………
まつりん?大丈夫か?
え?
だ、大丈夫よ!

今ぼーっとしてませんでしたか?
……頼むわよ……






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<前回までのあらすじ>

ふとしたことでDQ3の世界に迷い込んでしまった勇者(?)さたどらとその仲間たち。
本来の力が発揮出来ない中、少しずつ力を取り戻しつつある一行。
今回4人が挑むのは、黄金の国ジパングで渦巻く陰謀との決着。
はたして彼ら4人は、大魔王バラモスを打倒できるのか!
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な、なんやこの洞窟……
あ、あづいのですよー……
ジパングの近くにこんなところがあったなんて……
……誰も近づけないわけね……
でも敵の気配もそれほどないのですよ。
なら通過は容易だな。
ねこちゃんは何かあったら教えてくれ。迅速に進軍をかける。
あいあいさー!


本当に敵が全然いないな……
ここまでひっそりとしてると逆に不気味ね。
?!
ここから約300m先、強い殺気を感じるのですよ!

洞窟の主ってところか?いいだろう。
皆の衆、行くぞ!






あ、あれは!
……八岐、大蛇……!
丁度良い。探す手間が省けたわ。
あんたを叩きつぶして、ジパングもヒミコも助け出してみせる!!







いくわよ!!
ちょ!まつりん飛び出すのはええ!
……さた様……ねここちゃん……防御態勢を……
ぬ!
おっけー!






ぐっ……!
こいつ炎吐けるのか!
け、結構痛いのですよー……
……ここはむやみに出ない方がいい……
……末莉ちゃんのバックアップに努めて……

任せて!
はあっ!!
さすが何時もより気合い入ってるな……
……敵が強いほど集中力乗る子なのよ……
なるほど。確かにウチは下手に手を出さない方がよさそうだ。
その程度じゃ、あたしを倒せないわよ!!






ふー……
……ただ、まだ完全には倒れていないみたいね……
と、とりあえずは撃退に成功ってところか?






何処かに逃げるみたいですよ!
ち、こっちも結構疲労してるけど逃がすわけにはいかんな。
追っ掛けるわよ!






こ、ここは?!
ヒミコの……館?
どういうことなの……?



  ……このまま立ち去れ……ならば見逃してやる……



……今の声、聞こえたか?
(こくり)はっきり聞こえたのですよ。
……私達の回答は、こうよ……


  (ボウッ!!)



……くくく……黙って帰れば生かしておいてやったのに……
ならば、生きては帰さぬ。食い殺してくれるわ!!







貴様が大蛇だったのか!
……ヒミコに扮して生贄を要求……その生贄を食していたのね……
大蛇!ヒミコをどうしたのよ!!
ヒミコ?あの「ジパングをお主の好きにはさせん!」と抵抗していた奴のことか?
なっ……!!
恐怖に戦く姿に期待したのだが、面白くなくてがっかりしたわ。
「末莉が必ずお前を倒す……今のうちに恐怖に怯えるがよい……」が最期の言葉……だったかな?




   ……わかった。わらわも末莉を信じてその時を待つ。
   ジパングの未来、そなたに任せたぞ。




うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
ひ、酷い……
なんという奴だ……悪魔か……
くっくっく……案ずるな。貴様らも同じ所へ連れてっていってやろう……
……どうかしらね……
……貴方は、引いてはいけないトリガーを引いてしまった……

ぬ?



…………許さない。




お前だけは…………絶対に許さない!!!!










ぐ…………
……私も末莉ちゃんのサポートに回るわ……
……さた様……ねここちゃん……末莉ちゃんを後ろで支えるのよ……

わかった!
OK!
なめるな!人間ども!!
火炎放射か!
……悪いけど、その手はもう食わないわ……
……ヒャダルコ……!

炎が……
よそ見してるヒマはないわよ!!






に、人間如きに負けるか……!
……人間をナメて貰っては困るのよ……
大蛇なんかに、あたしたちは負けない!
悪いがウチらはバラモス討伐を目指して世界を回っているんだ。
こんなところで倒れるわけにはいかんのでね。
貴様を倒して、ジパングを救う……
それがヒミコの供養になる!!


この世から消えろ!!八岐大蛇!!!

ぎええええええええええええ!!!!











なんとか倒せたか……
バケモノは伊達じゃなかったのですよ。
……末莉ちゃん……
ごめん、ヒミコ……貴方との約束、果たせなかった…………
うううううう…………






  〜翌日〜


  「巫女様!ありがとうございました!これで安心して暮らせます!」
……ん……
皆に笑顔が戻ってるね。大蛇討伐のおかげかな。
末莉ちゃん……大丈夫ですか?
ん、大丈夫。
ヒミコを助けるという約束は果たせなかったけど、ジパングは救えたわけだし、
きっとあの世で彼女も安心してると思う。
ヒミコが作りたかったのは、きっとこういう世界だったはずだから、ね。

末莉ちゃん……


  「あ、あの……皆様。」
……貴方は……ヒミコの侍従かしら……
  「巫女様や末莉様が旅立たれる前に、お渡しして置きたいものがあります。」
なんやこの箱。
(ガチャ)こ、これは!!
一振りの剣と、紫色の珠なのですよ!
この剣、昔どこかで見たことがある……
もしかして草薙の剣なのか……?
これは一体……
  「どちらもジパングに伝わる秘宝です。
  ヒミコ様が生前、こう仰られておりました。
  『もしわらわに何かがあったら、その剣と珠を末莉に与えよ。いずれ世界を救う者になろうぞ。』と。

ヒミコ……
まつりん、草薙の剣はお前に渡す。
いいの?あたしは刀は得意だけど両刃剣は使えないのよ?
構わん。ヒミコもまつりんに渡したかったのだろうしね。
ヒミコの魂は何時でも末莉ちゃんと共にあり!なのですよー♪
……ふふ……私も賛成よ……
……わかった。この剣はあたしが持つ。みんなによろしく伝えて。
  「はい!」



あたしはこの世界に平和をもたらしてみせる……
これ以上、悲劇を増やさないためにも…………








     - 続く -