■ Data ■
発売日 価格 ハード 発売 ジャンル
2008/9/25 不明 DS セガ RPG


ものすごく久しぶりのミニレビューになります、さたどらです。
今回はBBSの方でリクエストを受け、プレイするに至りました。
それが本作「ワールド・デストラクション」です。


本作は当初より、複数のメディアに同時展開するという方策で、世に送り出されました。
そのため、本作・漫画・アニメは発売日・放送日が非常に近く、
サブタイもそれぞれ異なるものとなっております。
但しアニメと本作で既に設定が異なってたりと、真・聖刻みたいな何かを感じずにはいられません。
あえてそうしたんでしょうけど、アニメの尺の問題でもあったのでしょうか。


本作は「民族間の対立」を主題としております。
獣人族という亜人種の種族がおりまして、知力・腕力など総合力は人間よりも高く、
そのため「獣人族が人間類を支配している」という状況となっております。
その歪んだ世界を「撲滅」するために立ち上がったのが、世界撲滅委員会。
ヒロインのモルテはここに所属し、世界を撲滅すべくいろいろ行動することになります。

一方で、主人公のキリエは、平和を愛する気弱な少年。
小さな村で毎日を過ごしていましたが、ある時「世界を破壊する能力」が無意識的に発動してしまい、
それを知ったモルテは、キリエと邂逅することになります。
はたして、世界は撲滅されてしまうのでしょうか……


という流れで物語は始まります。
本作はあんまりユーザーからの評判が芳しくないのですが、
筆者がプレイした中で感じたいくつかの問題点を挙げてみたいと思います。


  @ 強すぎるラッシュ

戦闘は「ラッシュ」と「ブロウ」という2種類の物理攻撃方法があります。
ラッシュは手数、ブロウは一発の重さを重視した攻撃方法です。
ただ「戦う」だけでなく、2種類の選択肢を用意したチャレンジ精神は買いますが、
ブロウのダメージがラッシュ1hit分とほとんど差がなく、ブロウは1回攻撃なのに対してラッシュは2〜4回攻撃、
最終的には7〜12回攻撃(とあるキャラは17回攻撃)になるため、ブロウを選択する価値が全くないのです。

例:
ラッシュ ダメージ200点 x 12回 = 2'400点
ブロウ  ダメージ220点 x 1回  =   220点

スキルによる攻撃方法もありますが、必中ということ以外のメリットが殆どないため、
大体の場合はラッシュで殴り続けることになります。


  A 強すぎるステータスアップ状態

どのRPGでも「戦闘中のみ攻撃力アップ」「敏捷力アップ」といった、一時的パワーアップ状態が存在しますが、
本作はそれが桁外れに強いのです。

例:
通常時       :与ダメ 1点
攻撃力アップ状態:与ダメ 330点


スカラやバイキルトでもここまで極端にパワーアップせんぞ……
@のラッシュも相まって、非常に大味な戦闘バランスとなっております。
こういうピーキーなバランスが好きな方もいるとは思いますが、筆者はもう少しうまくバランス取れなかったのか……?という感想を抱きました。


  Bイマイチ目立たないヒロイン

先ほど、ヒロインのモルテについて軽く触れました。
本作はアニメのサブタイ「世界撲滅の六人」とある通り、PCは合計6人います。
その中で何故かモルテだけ人物像の掘り下げが殆どありません。

モルテが世界を撲滅しようと思った理由は一応あるのですが、
そうなった背景や過去が語られることは一切なく、
また世界撲滅委員会も作中で判明している一般構成員がモルテだけという、
でかいんだか小さんだかよくわからない組織である上に、
当の本人も何かあったら「撲滅」、何もなくても「撲滅」としか言わないため、あんまりキャラの魅力が伝わってきませんでした。


また、主人公のキリエも超がつくほどの世間知らずであるため、
序盤は彼の行動に相当イライラさせられました。
キリエもモルテも、180度方向性は異なるとはいえ、とにかく極論思考であるため、
最初の方はプレイするのに忍耐力が必要になるかもしれません。


  C エンカウント率が高い

ビヨビヨの時も言いましたが、また言います。
謎解きダンジョンに高エンカウント率設定はマジでやめてくれ。


全体的にバランス調整に大きな難があって、大きなマイナス要因となってますが、
その一方で「バグというバグは一切ない」というのは特筆すべき点です。
ストーリー面も下手なラノベよりかは全然読める特に破綻はしてないため、普通に遊ぶ分には問題ない但しラスボスはビヨビヨ並に唐突でしょう。


クリアタイムは22時間。
「すぐに終わってしまう」という評価もあるみたいですが、
FC時代からゲームをやってきてる筆者には、特に短いと感じませんでした。
ただプレイ時間の大半は「高エンカウント率の謎解きダンジョン」であるため、
ビヨビヨと似たような方向での我慢強さは必要でしょう。
あ、連打は不要なのでそこは安心していいです。


もう一回プレイしたいとは思いませんが、クソゲーというほど酷いとも感じなかったため、
微妙ゲーという評価が一番相応しいのかもしれません。



筆者評価:D