アークザラッド3


■ Data ■
発売日 価格 ハード 発売 ジャンル
1999/10/28 6800円 PS SCE SRPG


大ヒットRPG「アークザラッド」完結編

そう謳ってあったアーク2のパッケージ裏。
その謳い文句通り、EDも物語完結っぽい終わり方でした。
しかしアーク2が予想以上に人気が出てしまったせいか、やらなくてもいいのに続編製作決定。
蛇足(だそく)という字を1文字変えると駄作(ださく)になる。  
この作品はそれを切実なまでに教えてくれました。


物語は前作の3年後。
色々あってすっかり地形が変わった世界になり、
主人公のアレクはある日、村が盗賊に襲われ、それを救ったハンターに憧れて、自身もハンターを目指す。
そしてハンターとして仕事をこなしていくうちに、世界の危機に面し、それを救うために戦うことになる……

これだけを書くと王道物っぽく見えるんですけど、いざやってみると色々粗が出てくる出てくる。


  ・シナリオは全てギルドの仕事を請け負う、という形で進められる

これのおかげでシナリオの展開手段が限られ、窮屈になった感じがします。とにかく堅苦しい。
このシステムのおかげで、アレクの性格も実に堅苦しくなった。

シナリオの途中、とある研究者から
「世界の破壊を防ぐために、優勝賞品がどうしても必要だから武術大会で優勝してくれ!」という依頼を受けるのですが、
話自体は口頭で行われ、その場で依頼成立させればよかったのに、
堅苦しいシステムと主人公の性格のせいで、依頼を受ける先は何時も通りのギルドの窓口。
手違いで他のハンターが請け負ったら、どうするつもりだったんでしょうか。
もう少し柔軟性が欲しかったと思います。

ちなみにコレと似たようなシナリオ進行システムを採用してる空の軌跡シリーズ(Falcom)は、ある程度この堅苦しさを改善させております。


  ・戦闘システムの改悪

あんなに優秀だった2のバランスから一転、再びバランスが悪くなってしまいました。
背面攻撃のメリットも随分少なくなってしまいましたしね……。
ダメージや命中率の差を殆ど感じませんでした。

そして、やたらと見にくいダメージや回復の数字!
1や2ではあんなに見やすかったのに、なんであえて見にくくしてしまったん?(´・ω・`)
ダメな続編によくありがちな、前作の良いところを残さない。
この作品にもバッチリ当てはまってしまいました。残念!

唯一改善と言えるところは、範囲攻撃の特殊能力は、誰もいないところを中心部として指定できるようになったことぐらいですかね。
アーク2では、必ず誰かを中心ターゲットにしないといけなかったんですよ。
この点だけはアーク2より優秀だと評価できます。


  ・とある最重要シナリオアイテムの扱われ方

そんな復活方法があるなら2の時点でやれよ!!


3の評価が一般的に良くない理由の大半は、このイベントのせいだと思っております。
軽いノリでの思いつきというのが、さらにプレイヤーの殺意をそそります。
長年の叡智も、肝心なときに機転が利かなくて役に立たないのう……
それさえあれば、あの人たちは生き残ることができたのに…………

やっぱり後付シナリオってクソだわ。
復活させるにしても、せめて今の主人公PTでしかできないという展開に持ってきて、復活させるべきでした。
急遽作られた作品なだけに、シナリオの練り込みの時間が足らんかったのですかねえ……



やはり完結編として締めた作品に、無理矢理続編は作るべきではなかった。
この作品はそれをウチに教えてくれました。

一応アークの続編と言うことで、ウチは2巡しました。
主要キャラクターも、アレクがあまりに堅苦しいのと、その相方の軽さが嫌いだった以外は、それなりに評価してます。
依頼コンプもしたし、モンスターカードのコンプもしました。隠しキャラも仲間にしました。
やりこみ要素もある程度はあるし、前作のキャラもそれなりに活躍してるので、ゲームとしてはけして悪くはないのです。
アークの名を冠してなければ、もう少し評価は上がったのかもしれません。
でもアーク2の評価がなまじ高かっただけに、期待外れ感が強かったのもまた事実だったりします。

悪くはなかったけど、他人に勧められる程のものでもない、という評価を持って、この作品への批評を終えたいと思います。



筆者評価:D